止まり木

『旅の風景』、『音楽の風景』とお届けしてきましたエッセイ・シリーズ。第3弾は『グラスの風景』です。
私自身、お酒を飲むのが好きです。と同時に、飲みながら色々な方と話すのが好きです。
今回の連載では、お酒を通して出会った方々、色々なエピソードなどを中心に書いていきます。


止まり木。
この言葉に、バーのカウンタにある背の高いイスという意味があったのを、数年前に知りました。うまい表現だと思います。
日常生活から離れて、自分の居心地の良いカウンタへやってくる。そのイスに腰掛けて数時間を過ごした後は、また日常生活へと帰っていく。ちょうど鳥が羽を休めるのと同じなんですね。
私にとって一番思い出に残っている“止まり木”は、松山にかつてあった小さな店です。
大学入学したての頃に、先輩に連れていってもらってから、プログラマとして働いていた頃も含め、10年くらい通っていました。
その店は、あえてジャンルをつけるとすれば、ショットバーでしょうか。お酒の種類は400くらいありました。でも、コーヒーや定食、ジュースも美味しいのです。カウンタには、ジュースやカクテルに使うための色々な果物が盛られていました。
料金も手頃で、セット料金やチャージといったものはありません。ですから、お酒を飲みにくる人、コーヒーだけの人、食事にくる人、様々でした。
一つの共通点は、ほとんどが常連さんということです。まれに見かけない人がいても、誰かの知人だったりします。
私も普段着でよく行っていました。飲みに行ったり、食事をしに行ったり、時にはコンパの帰りに酔い覚ましのコーヒーを飲むために行ったりもしていました。


そもそも、この店との出会いはコンパの帰り、先輩から勧められてついていったのです。
その時に、「ちょっとだけ味をみてみる?」と、舐めさせてもらったのは、ロンリコ151。
151とは、151プルーフ、つまり度数が75.5度もあるのです。きついお酒と言えば、スピリタスが有名ですが、ロンリコはラム酒で、度数の割には美味しいお酒です。
もちろん、初めて口にした時は、きつさの方が先にありましたが…。
いつしか、自分でも注文して飲むようにもなりました。
それから数年後、店のマスターから、このロンリコ151が製造中止になったと聞きました。
それなら是非にと、友人にも手伝ってもらって、あちこちの酒屋でロンリコ151を探しました。数か月かけてようやく発見、自慢したくてマスターに話しました。
すると、製造が再開されたとのことでした。度数が高いにも関わらず、根強いファンがいたのですね。
もちろん、今でも販売されています。

ロンリコ 151 75.5度 正規 700ml

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感想(14件)


自分にとっての“止まり木”、心地よい場所を探してみたいですね。

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