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ブックレビュー『教養としての量子コンピュータ』

高校の頃、量子力学の本を興味深く読みました。
物質は全て原子から構成されていますが、原子は陽子と中性子と電子で構成されてます。その陽子や中性子、電子を構成しているのが量子になります。本当ミクロな世界の話です。

学問だけの世界と思ってた量子力学

量子力学の世界では、特定の場所に量子が存在するかどうかは確率でしか把握することはできません。
もっと興味深いのは、観察するという行為は量子の状態に影響を与えます。
一般的な常識が通用しない、独自の世界観がある量子力学の世界。あくまで学問だけの世界観と思っておりました。

ところが近年のニュースで量子コンピュータというワードを目にすることがありました。
量子コンピュータって何なんだろう、そんな思いからこの本を購入して読んでみました。
量子力学は単なる理論だけでなく、量子コンピュータという形で現実のものとなっております。量子コンピュータは、グーグルやマイクロソフトなどの大手企業、日本でも大阪大学や産業技術総合開発機構などで実際に稼働しています。。

今更ながら技術の進歩に驚くと同時に、すごい時代がやってくるのだなと思っております。

量子コンピュータにできること

実は量子コンピュータでは、1+1といった単純な計算が苦手です。
これは現在のコンピュータが0と1、電気のオンとオフの制御によって成り立っているのに対して、量子コンピュータは0かもしれないけど1かもしれない、もしくは0と1の両方の状態が基となっているからです。

これだけを聞くと使い物にならないと感じるかもしれませんが、ビット数が多くなるにつれて威力を発揮します。
例えば4ビットでは4桁の0と1の組み合わせで16通りですが、8ビットでは256通り、16ビットでは65,536通りになります。
現在のコンピュータは65,536通りを1つ1つ検証しなければならないのですが、量子コンピュータでは0と1、両方の性質のある16ビットを一度に処理して、最適な答えを導き出すことが可能なのです。

実際の応用例としてこの本に紹介されているのは、多くの拠点をいかに効率よく廻るかというサラリーマン巡回問題などが挙げられています。
また金融分野では、ビットコインなどの仮想通貨のマイニングや、多くの投資商品からどういうポートフォリオであればより多くのリターンを期待できるかのシミュレーション、さらには現在より踏み込んだ株価などの分析にも活躍します。

0と1で分けられないからこそ

ここから先は本の内容ではなく、私の個人的な考えになります。

はっきりと0と1で処理することが苦手な量子コンピュータ。まだまだプログラミング技法や制御方法は研究途中の面もあります。
でも、人間の感情や思考により近くなるのではないかと思います。
好きだけど嫌い、行きたいけど行きたくない。そんな相反する感情も量子コンピュータならば処理することができるのではないでしょうか。
遠くない将来、量子コンピュータによるAIが一般の人も使えるようになった時、より人に寄り添ったパートナーとしてのAIが誕生することを期待しております。

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