旅の風景(5)

私が、いつから旅というものが好きになったのか考えてみると、高校の時の影響だったように思います。
以前も書いたように、実家は高知県ですが、岡山の高校で寄宿舎生活を送っていました。
年に3度の長い休みの度に、実家と寄宿舎を往復していたのです。
今でもJRとバスを乗りついで、6時間以上かかります。当時は瀬戸大橋が建設中で、片道10時間以上かかりました。
普通列車、快速列車、連絡船、特急列車、バスと乗り継ぎ、一日の大半を乗り物の中で過ごします。必然的に時刻表にも慣れてきました。


太平洋や瀬戸内海、形を現しつつある瀬戸大橋、大歩危。色々な風景を眺めながら、何度かの食事も取ります。
この長時間の旅が、私にとって不思議と苦痛ではありませんでした。必要に迫られてのものでしたが、列車の中という日常生活にはない空間を楽しんでいました。
列車の中で、ちょっとした文章を書くというのも好きでした。書き始めてみると、普段とは違った文章が生まれてきます。
同じ風景の中で生活していると、ついつい同じ思考回路になってしまうのでしょうか。旅によって得られるもの、意外なところにもありそうです。
よく、「帰るために旅をする」といいます。考えてみれば、実家に向かう時も、寄宿舎に向かう時も、帰る旅でした。
でも、住み慣れた風景に帰ってきた時、懐かしさと共にどこか旅行客の視点がありました。普段、生活していると、その場所の風景をじっくりみたりすることはほとんどありません。しかし、一時的にでも他の場所からその場所に帰ってきたとき、また違って見える風景がそこにはあります。
海外に行くと日本が見えると言われるのも、これでしょうね。


日常生活を離れて、非日常の空気を楽しむために旅に出ます。
でも、意外と身近なところにも非日常はあります。
いつも通る道とは、別の道を通ってみる。
そこで発見した喫茶店に立ち寄ってみる。
何気ない普段と違った行動で、気分が変わることもあります。たまには、自分の街を旅行者のつもりで歩いてみませんか。
ちょっとしたことでも、旅の気分が楽しめるものですね。

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