会計期間って何? ~簿記入門の入門(3)~

今日から4月ですね。
学校は新年度になるのと同時に、多くの会社でも4月1日を会計期間の始まりとしています。
4月1日から3月31日までで区切って、決算報告書を作ります。今頃から、この決算報告書の作成、さらには上場企業では公認会計士さんによる監査が行われます。そして6月の株主総会に提出されるのです。
前回、簿記の仕訳で使う科目は、資産・負債・資本・収益・費用の5つに分けられることをお伝えしました。
決算報告書の中の、貸借対照表は資産と負債、それに資本の内容を記載したもの。損益計算書は収益と費用を記載したものです。
この2つの計算書の違いを見るために、今日は会計期間について紹介します。


昔の簿記には、会計期間はありませんでした。
大航海時代と呼ばれていた頃の話です。
王朝や貴族から出資金を募り、様々なものを載せて航海へ出ます。
当時は航海技術もそれほど進んでいませんので、船乗りにとっては生きて帰ってこれるかどうかの大冒険です。
無事に航海を終えて出発地へと帰ってきた時に初めて、計算書を作成します。
航海で仕入れてきたものを売った収益から、仕入れや船乗りへの手当などの費用を差し引き、利益を計算します。
その利益を出資してくれた人たちへ分配するのです。
つまり現代に置き換えて考えると、出港する前に会社を設立して、無事に航海を終えると会社を解散していたのです。
それが、徐々に航海技術の発達によって、同じ船で何度も航海が可能となってきました。
そうなると、同じ仲間で継続的にやっていくようになります。
これが、世界で最初の株式会社、東インド会社の誕生なのです。


現代では、会社の解散するのを待って利益を計算するなど考えられませんね。そんなことをしていたら、法人税は1円も入らなくなってしまいます。
そこで会計期間を設けて、4月1日からであれば、その日から1年間を一つの区切りとしているのです。
ちなみに株式会社などは、会計期間は自由に決めることが出来ます。別に4月1日からにする必要はないのです。でも、様々な慣習や、株主総会の日を合わせることなどから、大半は今日からの会計期間になっているそうです。
青色申告かどうかに関わらず、個人事業者の会計期間は1月1日から12月31日と決められています。こちらは変更できません。


冒頭で、資産、負債と資本を記載したのが貸借対照表、収益と費用を記載したのが損益計算書とお伝えしました。
この2つの違いのカギは、日付にあります。
貸借対照表は、決算日(例えば平成21年3月31日)が記載されているのに対して、損益計算書は、会計期間(例えば平成20年4月1日~平成21年3月31日)が記載されています。
簿記の勉強を始めた頃や、会計ソフトの設定をする時に、貸借対照表の科目なのか、損益計算書の科目なのか、迷うことがあります。
そんな時は、一時点の数値なのか、一定期間の数値なのかを考えてみて下さい。
資産の代表例、現金や預金は、決算時点でいくらあるというものです。この1年間の通帳残高を合計しても何の意味もありません。
一方、売上高とか、様々な費用はこの1年間にどれだけ発生したのかを見るものです。


もう一つ、別の見方も紹介します。
それは、年度が変わるときにゼロになるかどうかです。
損益計算書の収益と費用は、年が変わるとリセットされます。会社設立時からの売上合計を出しても、面白いかもしれませんが、あまり意味がないですね。知りたいのは、今年1年間の数値です。
一方、貸借対照表の資産や負債、資本は絶対にリセットされません。
年が明けると借金(負債)がチャラになるのは嬉しいかもしれませんが、現金や預金が消滅したらたまりません。
もっとも、そんなことはありえませんね。


貸借対照表と損益計算書の違い、なんとなく分かって頂けたでしょうか。
今日からの新年度、気持の方は新たにリセットして、やる気の方は継続して頑張って、いきたいと思っています。
今後とも、よろしくお願いします。

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