障害者がつくられとる―話 ~小倉さんのポエム~

貧しい時代の無学な親たちが
“不具”の我が子を不憫(ふびん)に思い
泣かずに遊んでくれたらえい―と、できることまでさせなんだことで
自分のことを<(なん)にもせいでえい人>と思い込んでしもた障害者たち
()んことでできんようになるのは
勉強でもスポーツでも仕事でもリハビリでも同じことじゃけど
家族が一丸となって(なん)にもさせなんだ子育てが
“障害者”イコール“(なん)にもできん役立たず”みたいな社会意識を産み
“役立たず”が顧みられぬ社会づくりが為されていった

時代の変還のなか
障害者家族の親亡き後や障害者の自立に目が行き始め
制度や環境が見直され
例えば―歩けなんだ重度障害者に足に替わる舗装具や車が与えられることで
<動けん>という障害物が取り除かれ
できなんだことが可能になる―というような変化が起きる
それは
五体不満足といえども“障害者”ではない
“障害者”から“障害物”を取り除けば障害者でなくなる―ことの証明以外の何物でもないけど…
一度、労せず遊んで暮らせるキップを手に入れた者たちは
“障害物”が取り除かれた後も“障害者”を名乗り続け
既得権という“うまいキップ”を手放そうとせなんだりもしよる
とっちゃん
山より太い(しし)なんか出やせんのにのぅ
人がつくった人の世の不都合なら人の力でなくせるはずじゃにのぅ
つくった者たちより賢い人間が出現せん
本気で無くす気のある人間が増えてくれん
(『秘めだるま』より転載)

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