自分にできること ~ひらきこもりへの挑戦②~

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右手のしびれ

私は出産時に脳性麻痺となったものの、普通の学校に通い会社勤務もしておりました。
ところが4年前、右手のしびれが何日も続きました。
気になって近所の病院を受診すると大きな病院を紹介され、検査入院となりました。結果、“頚椎症性脊髄症”だと診断されたのです。
医師から色々と説明は受けたものの、自分自身の気持ちの整理のつかない日々が続きました。
というのは、それまでは運動機能や言語などに多少の障害はあるものの、使っているうちに徐々に能力もついてくるといわれていて、極力普通の生活を目標としていました。
それが急に、「今後の病気の進行を抑えるためには、体に負担をかけない生活をして下さい」と、言われたのです。
その後、半年ほど会社勤務は続けたのですが、しびれと痛みがひどくなり、手術を受けることとなりました。
八時間余りに及ぶ手術に成功したものの、これもあくまで病気の進行を抑えるためのもの。退院後は自宅での生活となりました。

模索の中で

自宅で生活といっても、当時私は三十代後半。隠居生活でもという気分にもなれず、あれこれと模索していました。
そんな中で、ふと新聞記事で目にしたのが“ひらきこもり”という言葉です。
社会問題にもなった““ひきこもり”に対して、ある大学教授が“ひらきこもり”ということを提唱されていました。
必ずしも学校や職場に行かなくても、インターネットを通して様々なことを学んだり、何かしらの収入を得ることは可能であると書かれてあったのです。
自分自身、パソコンとは縁が深かったものですから、これなら自分にも何かが出来るのではないかと感じ、挑戦してみることにしました。
もちろん、将来的にはここから収入を得られるようになりたいという思いもあります。

日常生活

現在私は母と二人暮らしです。食事の用意や家事は、ほとんど母がしてくれています。
そんな中、今年の二月下旬に母が心筋梗塞で運ばれるという事態になりました。幸いカテーテル手術でうまくいきました。入院期間も一週間で済み、術後の経過もいいようです。
結果としては一週間でしたが、私にとっては急な一人暮らしとなりました。最近では冷凍食品やインスタントなども種類が豊富ですので、電動車イスで買い物に行き、なんとか乗り切ることができました。
でも、もしこのような状態が長期化したらと考えますと、不安な要素も数多くあります。
果たしてどのような福祉サービスがあり、どの程度利用可能なのか、一度しっかりと調べておきたいと思います。(今回も一応市のホームページなどを見ましたが、申請書類などの記載があり、短期間なら逆に面倒に感じました。)

この春のもう一つの出来事

ちょうどこの原稿を書いている現在、テレビでは東日本大震災のことを連日伝えております。あまりの被害の大きさに、私も心を痛めております。
家族を探して何箇所もの避難所を回っておられる様子をテレビで見て、何とかできないものだろうかと感じました。
私にもできるこはないのだろうかと模索していると、ネット上に避難所の名簿が多く投稿されているサイトがあり、これをデータベースに登録しようという動きが生まれていたのです。
投稿された写真は画像ですので、名前などで検索することはできません。ところがこれを文字として登録していくことよって、検索が可能となるのです。
ネットを通して、同じ思いを抱いている方々、協力して下さる企業などが集まり、被災者のデータベースが作成されていきました。
現在、私も時間や体力が可能な範囲で、入力作業をさせて頂いております。
被災者データベース、『パーソン・ファインダー』はグーグルが提供する機能です。現在ドコモなどの携帯各社の安否情報、警察の情報、自治体との情報とも連携して、安否確認のために役立てられております。
実際に会ったこともなく、本名も知らない多くの有志たちが協力して、何十万人という分量のデータの作成が行なわれております。高知県に住んでいる在宅障害者、そんな立場でありながらも、こうしたボランティア活動が可能なこと。改めてインターネットの有益性感じました。
“ひらきこもり”。一体どういうことができるのか分かりませんが、これからも模索と挑戦を続けていきたいと思います。

(秘めだるま2011年夏の号より)
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