今月、本当に赤字? ~簿記入門の入門(4)~

4月がスタートして、1週間が経ちました。
この時期って、自動車保険の更新とか、火災保険とか…、何かと出費の多い時期です。
前回は、会計期間についてお伝えしました。
その中で、収益と費用というのは、新しい会計期間になる時にゼロにリセットされることを紹介したと思います。資産や負債は消えることはありませんね。


利益というのは、収益から費用を引いて出されます。
当り前のことかもしれませんが、今年の利益は、今年の収益から今年の費用を引いて出します
これが、今日のテーマです。
それだけ?っと思われた方、はい、それだけです(笑)。
でも、これが意外と難しいのです。おそらく今後、何度も色々な形で紹介していきます。
簿記の世界って、この当たり前のことをきちんとするために発展してきたのです。


話を分かりやすくするために、家計について考えてみます。
普通、家計簿って1ヶ月単位で集計しますね。今月のお給料から、色々な出費を差し引いて、今月はいくら黒字だったかをみます。
そこで、今回の会計期間は1ヶ月です。4月の収益(給料)から4月の費用を引いて4月の利益を出すことを考えてみます。
収益は収益(給料)と書きましたが、費用は出費(費用)とは書いてません。これがヒントです。
実は出費=費用ではないのです。
例えば4月に1年分のサーバーレンタル料6,000円を払ったとします。
4月の利益を出したい時、レンタルの費用は6,000円ですか?出費は6,000円だけど、費用としては4月分の500円で計算したいですよね。
同様に、5月は出費がなかったからと言って、レンタル費用ゼロとしてしまったらおかしくなってしまいます。
やはり、5月のレンタル費用も500円、6月も500円にしたいのが人情です。でないと、売上(収益)は変わらないのに、出費の多い4月だけ赤字ということにもなりかねません。


それでは、毎月のレンタル費用を500円とする方法を紹介していきましょう。
まず、4月に銀行引落で1年分6,000円を支払った時の仕訳は
レンタル費用 6,000  預金 6,000
となります。
そして、月末である4月30日の仕訳で
前払費用  5,500  レンタル費用 5,500
とします。
お分かりでしょうか。以前、仕訳というのは、集計する時に反対側に出てきたものは差し引くということをお伝えしました。レンタル費用という科目が、今度は反対側に出てきています。
ですから、この2つの仕訳を合算してみると、
レンタル費用   500  預金  6,000
前払費用   5,500
となり、無事に4月のレンタル費用は500円になりました。
では、この前払費用という科目は何者なんでしょうか。
実は資産なのです。イメージとしては、12枚綴りの回数券を6,000円で購入したようなものです。
今月1枚だけ使って、残り11枚5,500円分が資産として残っています。
実際には、目に見えませんけどね・・・。でも、来月以降もサーバーが使えることは事実です。
ですから、4月は6,000円の出費で、今月の費用500円と来月以降のサーバー使用権(これは資産です)を購入したことになります。
簿記の世界では、このように目に見えない資産、目に見えない負債というものが登場します。


そして、5月1日の仕訳で
レンタル費用 500 前払費用 500
とします。
こうすれば、5月のレンタル費用も500円です。
4月は預金という資産を減らしてレンタル費用にしてましたが、5月は前払費用という資産を減らしています。
これで、前払費用の残りは5,000円になりました。そう、回数券を1枚使ったことになります。
同じ仕訳を毎月することによって、翌年3月で前払費用(回数券のような資産)はゼロとなり、毎月のレンタル費用は500円となりますね。
これで晴れて、毎月の正しい利益の計算が出来るようになりました。
ということで、今日は一件落着!
お疲れ様でした(^-^)

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