本当のバリアフリーって?

木曜日のこのコーナーでは、バリフリーやユニバーサル・デザインについて紹介してきました。
今日は、少し別の視点から書いてみたいと思います。
以前にも書きましたが、私が『秘めだるま』の小倉さんの大ファンになったきっかけ、それはこの言葉でした。
「こんな障害者がいるから、世の中は良くならない」
これは1000人分のアンケートを集計していた時のことでした。
ちょっと、びっくりするような言葉ですね。


障害者問題というと、障害者の側から問題提起して、健常者に訴えるようなイメージがあります。
でも、秘めだるまを通して、それは違うのだということを学びました。障害のあるなしに関係なく、みんなで考えていかなければならないのです。
私がこのことを強く感じたのは、私自身が就職活動をしていた時のことです。
ただでさえ求人は少なく、障害があるとなると本当に大変でした。私も毎日のようにハローワークへ通い、『本気で就労を考える障害者の会』という会合にも参加していました。
そんな中で、驚くような話を聞いたのです。
障害があるということで、企業側も不安があるため、チャレンジ雇用という制度があります。これは、数週間試験的に働いてみるというものです。
しかし、チャレンジ雇用期間終了後、採用に至らなかった理由の7割以上は、障害者の側からの辞退だそうです。
長期間、就職口を探していた私にとって、なんてもったいない話だと、本当に驚きました。
もちろん、その方の体調や体力などの問題もあったのでしょう。
でも、少し残業をしてもらったら親御さんから苦情が来たという話も耳にしました。
障害者を子供に持つ方の気持ちも想像できます。それでも、もう少し考えてほしいものです。
障害者の法定雇用率が守られていないことが、よく問題になっています。
もちろん企業側に理解して頂くのが重要であることは当然です。
その一方で、当事者である障害者の意識がどうであるかも、この問題の解決には必要なことだと思いました。


もう一つ、今度は面白い話をしましょう。
秘めだるまのアンケートに
「障害者はみんな瞳が美しく、努力家なので・・・」
といったことを書かれていた方がおられました。
それに対して小倉さんは、
「障害者の中にはそんな人もいるけど、みんながそうではない。そういったイメージが強くなると、今度は『お前は障害者だから、もっと頑張らないといけない』ということになってしまう。」
と仰っていました。
そうなんですよね、障害者といっても、障害がある人。それだけのことなんです。
その中には、色々な性格の人がいて、それぞれの考え方を持っています。
私だって、酒とタバコは大好きですし、ここには書けないことも色々とあります(笑)


改めて、バリアフリーって何でしょうか。
みんな、長所も短所もある人間同士であるということに変わりはありません。
ただ、障害者やお年寄りなどが何かをしようとする時に障害となるもの、それをみんなで解決していくこと。
それは目に見える街中の段差であったり、見えないけど存在する制度上の問題や社会的な問題であったりします。
でも、どちらが上だとかはありません。何が障害となっているかを考え、解決していくこと。
それは、一人の力ではできません。
みんなで、率直な気持ちをぶつけ合うことから見えてくるのではないでしょうか。
最後にまた、小倉さんの言葉を
「弱者問題を考えていくということは、人としてどう生きるかを考えること」
スケールの大きい言葉ですね。
私自身も、まだまだこれから勉強していきたいと思います。

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