ユニバーサルデザイン

俗に障害者本と呼ばれている、障害者が書いた本を読むようになってから20年近くになります。
普段の生活の中では気付かないかもしれませんが、この間に日本の社会の中で障害者を取り巻く環境というのは、少しずつ、確実に変化しているのです。
私が一番その変化を感じたのは、自家用車のCMで障害者にも利用しやすいということをPRしていたのを見た時です。正直、驚きました。ここまで変わってきたのかと…。
というのは、20年近く前では、全く考えられないことなのです。
その当時、車を運転したいと思っている障害者が、あちこちの自動車メーカーに自分たちのための車の改造をお願いに回っていました。
しかし、「それをやったところで、一体どのくらいのニーズがあるのか。」などと問いかけられ、なかなか実現しなかったそうです。
もちろん、障害の程度や状況にもより、どこまでが対応されているのかは分かりません。でも、車イスで乗車している様子がCMに流れるようになったことは、すごいことだと思います。


最近“エコロシー”と共にCMなどで耳にする言葉に“ユニバーサルデザイン”という言葉があります。
この言葉は、以前は一部の障害者団体や研究機関の本やサイトの中でのみ使われていたものです。
そもそもの意味は、例えば点字などのように障害者のために作られたものを“専用品”といい、障害者にでも使いやすくしたものを“共有品”と呼んでいました。この“共有品”が、さらに広い意味で“ユニバーサルデザイン”という言葉が使われるようになりました。
昔からある“ユニバーサルデザイン”の代表例の一つが、シャンプーとリンスです。
現在、ほとんどのメーカーで、シャンプーの容器にのみ横にギザギザがついています。これは、視覚障害者にとってシャンプーとリンスの区別がつかないからです。
でも考えてみて下さい。普通の人でも、髪を濡らしているため、この2つを見て区別するより触って区別する方が便利ですよね。
このように、障害者にも使えるように改良することによって、一般の方にとっても便利になることも多いのです。こういった認識が大手企業にも広まったことが、最近のCMから感じられます。
ちなみに私が読んだアフィリエイトの本の中で、視覚障害者にとって分かりやすいサイトというのを丁寧に解説されているものがありました。
ここまでページを使っているのはどうしてだろうと思っていると、実は音声ソフトでサイトを読み上げている方のサイトの見え方というのは、検索エンジンからの見え方に近いのです。その本の著者もそのことを章の最後に書かれていました。
つまり、こういった配慮というのは、SEO対策の上でも非常に有効なのです。そればかりか、SEO対策の手法については様々なことが言われていますが、このような観点から行われることが将来的にもスパム扱いされることはないでしょう。SEO対策の王道とも呼べるのではないでしょうか。


“障害者のために”という言葉になると、どちらの側もなんだか肩が凝りそうです。
でも、“障害者にも使えるように”というのは、実は自分たちのためにもなるのです。
誰でも、産まれた時は何もできません。成長するにつれて、色々なことができるようになりますが、時には病気や怪我もします。そして、やがては年を重ねるごとに身体機能も低下していきます。
女性であれば、妊娠や出産などをすることもあります。
ユニバーサルデザイン、障害者にも対応できる社会というのは、実は一時的に怪我をした人や妊婦さん、お年寄りにも住みやすい社会なのです。
そんな視点で、もう一度あなたの周りを見回してみませんか。

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