暗い曲の代名詞? ~音楽の風景(2)~

ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』と言えば、クラシック音楽の中でも最も知られている曲ではないでしょうか。そう、あのジャジャジャジャーンです。
冒頭の部分の知名度はすごいですね。


私がこの曲を初めて全曲通して聴いたのは、中学の時です。音楽部に入ったのだからと、ちょっと背伸びしたい気分があったのでしょう。部活の練習後、音楽室でLPをテープにダビングして帰りました。
出だしの部分はよく知っていたのですが、その後がどうなっていくのだろうかと思っていました。
ところが、第1楽章は全てジャジャジャジャーンです。6分くらい、ずっとジャジャジャジャーンです。
正確に言えば、冒頭のジャジャジャジャーンが様々な形に変化して、その組み合わせで第1楽章は成り立っています。
まるで、同じ部品をいくつも組み合わせて作られる、折り紙作品のようです。
私は数えたことがないのですが、第1楽章の中にジャジャジャジャーンは200くらい登場すると読んだ記憶があります。


五木寛之さんのエッセイの中で、対冶と同冶ということが紹介されていました。
例えば、風邪で熱が高い時、氷嚢で頭を冷やすのが対冶、汗をかくほど温かくするのが同冶です。
よく、失恋したら中島みゆきさんの曲を聴く人がいるとを耳にしますが、これも同冶でしょう。
落ち込むこと、嘆くこと、そういったことにはマイナスイメージが強いようです。
でも、落ち込むことも、実は体の免疫力を高めているそうです。
時には、暗い曲に浸ってみるというのも、意外とストレス解消になるものです。


ここで、話を本題へと戻します。
『運命』は暗い曲でしょうか。
実は、私にとってこの曲ほど、心の底から元気になれる曲はないのです。
その種明かしは、第2楽章以降にあります。荒々しい第1楽章とは対照的な、ゆったりとした第2楽章。そして、力強く命のリズムを刻む第3楽章へと続きます。
第3楽章の終盤には、ティンパニーの静かで心地よいリズムが次第に大きくなり、最終楽章へと連続して演奏されます。個人的には、この部分がたまらなく好きです。人生の夜明けっていう感じがします。
そして、最終楽章…。
これについては、何も書きません。機会があれば、聴いてみて下さい。
最後に五木寛之さんの言葉を引用させてもらいます。
「本当のプラス思考というのは、究極のマイナス思考のどん底から、どういうふうに伸びていこうか、立ち上がっていこうかという、そういう覚悟が決まったときに見えてくるものではないだいろうか。」
実は私、大のベートーヴェンファンです。来週もベートーヴェンのシンフォニーからお届けします。

ブログランキング
ランキングへの応援よろしくお願いします。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ
にほんブログ村
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク